クレジットカード現金化の比較はマネーリサーチ

自己破産できなくなるクレジットカード現金化

更新日:2018.11.28
現金化の注意点

佐藤 隆道

現金化すると自己破産できなくなる理由と実態

クレジットカード現金化をすると自己破産ができなくなるかも知れないことをご存知ですか?

自己破産は債務整理の一種で、自分が返済出来なくなった借金の免責を裁判所に許可してもらうことです。無事に免責が認められれば、自分が支払うはずだった全ての債務の返済が免除されます

借金で首が回らなくなった方にとっては、ありがたい救済措置ですが、無制限に認めては金融業が成り立ちません。 そのため、裁判所から自分に返済能力や財産が無いこと、借金の理由に合理性があることなどのチェックを受けなくてはなりません。

不必要な浪費やギャンブル行為、投資等が原因の借金は、『免責不許可事由』に該当し、免除・減額が認められません。クレジットカード現金化もこの免責不許可事由に含まれています。

今回は、クレジットカード現金化が理由の借金は本当に自己破産できないのか、免責不許可事由について解説していきます。

自己破産とは

自己破産とは、申立人の経済状況を裁判所が鑑みて支払い能力が無いと判断した段階で、借金の返済が免除される申請のことです。

自己破産申請の際には、申立書や住民票とともに、自身の財政状況を確認できる給与明細書やクレジットカードといったものを一式揃えて裁判所に提出します。

一般的には、自己破産申請の依頼を弁護士に依頼して正当な手続きを踏んでもらうといった方が多いですが、費用等の面から個人で行う場合もあります。

債務の支払い義務を免除する「免責許可」が下りることで、申立人は借金の返済から解放されます。

自己破産申請が通っても債務が帳消しになったわけではなく、あくまでも返済不能と認定されたことによる「免除」です。

逆に、申立人の不当な事情による債務の滞りであると裁判所が判断した場合、自己破産申請は不許可となります。

つまり、簡単に言ってしまえば自分の借金がなくならないということ

この自己破産申請が通らない理由のことを「免責不許可事由」と言います。

クレジットカード現金化は免責不許可事由に該当する

現金化は免責不許可事由に該当する

クレジットカード現金化は、自己破産が通らない事情の「免責不許可事由」に該当しています。

免責不許可事由は、債務の滞りを解消して申立人の生活再生を図る自己破産のような手続き全般を適応される法律「破産法」に記載されています。

免責不許可事由の条件としては、ギャンブルや浪費、不当な借り入れなど、不誠実な債務返済の滞り全般が含まれています。

他人に迷惑をかけるような金銭取引であったり、正当な事情のない借入などは、基本的にこの免責不許可事由に該当します。

そして、免責不許可事由の一部を記載した破産法の252条1項2号には次のような記述があります。

[自己破産 第252条第1項第2号]

破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。

上記の文面では、クレジットカードのような与信枠で購入した商品を換金する行為に対して言及し、これを免責不許可事由として明示しています。

クレジットカード現金化が免責不許可事由に含まれている理由

破産法によってクレジットカード現金化が免責不許可事由だと判断されている理由には、相応の筋道があります。

何かをクレジットカード決済で購入するということは、カード会社にその商品の代金を立て替えてもらっていることになりますよね。

クレジットカード現金化では、決済料金の支払いが終わる前に商品を換金します。
つまり、「他人のお金で購入した商品で勝手に自分のお金を作っている
ということになります。

クレジットカード現金化で発生した債務を免除してしまえば、カード会社は自己破産の申立人に対して一生返済を要求することができません。
この不条理な事実を見ると、確かにクレジットカード現金化が免責不許事由であるという自己破産の規定は、「法の下の平等」に沿う正しい解釈と言えますよね。

そもそも、カード会社は利用規約でショッピング枠の換金を禁止しており、もしバレてしまったら、クレジットカードの利用停止処分が下されてしまいます。
取り締まる法律こそないものの、グレーゾーンな金策である現金化をする前に弁護士や公的機関に相談するなど、借金や生活に対する対処法はあるはずですよね。
にも関わらず、クレジットカード現金化を行って返済不能になるほどの債務を作ってしまったというのは、自己責任であると判断されてしまいます。

従って、クレジットカード現金化による債務は、「止むを得ず生まれた借金ではない」と扱われることになります。
そのため、「自己破産する正当な理由とは認められない免責不許可事由である」ということがはっきり破産法に明記されているわけなんです。

クレジットカード現金化を隠して自己破産は不可能

だからといって、自己破産申請の際にクレジットカード現金化を隠せば大丈夫というわけでもありません。

裁判所に提出するクレジットカードの決済履歴から、簡単に現金化がバレてしまいます。

自己破産する時は現金化は隠せない

自己破産申請の際には、申立書や住民票といった情報の他にも、申立人の財政状況を確かめるために様々な書類の提出が義務付けられています。

以下で、自己破産の際に申立人が提出する財産確認のための書類をまとめてみました。

  • 源泉徴収票
  • クレジットカード
  • 給与明細
  • 住民税額の証明書
  • 車検証
  • 賃金契約書
  • その他申立人の財政を示すもの

自動車から不動産、退職金を貰っているならばそれを示す書類など、自己破産の申立人は所有するありとあらゆる財産を裁判所に示さなければいけません。
年金や生活保護の受給者であれば、その情報までもきちんと把握されてしまいます。

財産確認のための書類の中には、「クレジットカード」もはっきり含まれています。

自己破産の際には、クレジットカードの利用履歴から、現金化の利用も簡単にバレてしまいます。
借金の返済で普段から生活が苦しいはずなのに、高額なブランド物やアクセサリーなどをクレジットカードで購入しているわけですから、裁判所の検分でも、客観的な目で見ればいかに不自然か容易に判断可能です。

クレジットカード現金化の利用を頑なに否定してしまえば、決済履歴から発覚したことで、申立人の誠実性が失われてしまい、逆に自己破産申請が下りなくなってしまいます。

クレジットカード現金化の利用を隠し通して自己破産を行うことは難しいと考えておくべきです。

裁量免責を受ければクレジットカード現金化が理由でも自己破産できる

クレジットカード現金化の利用を裁判所に隠すことは難しいと言いましたが、免責不許可事由に該当する事情を抱えていても、自己破産が許可されるケースが存在します。
破産法では、そうしたケースのことを「裁量免責」と呼んでいます。

実際に破産法の文言を確認してみましょう。

[破産法 第252条第2項]

前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。

つまり、免責不許可事由に該当する事情での自己破産であっても、手続の過程で窺える申立人の態度や、債務への至った事情の経緯から憂慮して、申請を下ろすケースが存在するわけですね。

自己破産で免責許可が下りるケースは97%

実際に自己破産を行った方で免責許可が下りる割合は97%と、ほとんどのケースで申立人の事情が考慮され、裁量免責を受けることが可能となっています。

これは、借金がかさんで支払い能力も無いという方の自己破産申請を拒否しても、前向きな解決とはなり得ないという裁判所の判断から、今では通例となっています。

申立人の態度に反省の色がなく、著しく同情に値しない事情の場合にのみ、自己破産において免責不許可事由が成立してしまうようです。

まり、クレジットカード現金化が理由であっても自己破産が可能なケースはあるということで、寧ろ、申立人の誠実さを鑑みて免責許可が下されるケースが多いと言えます。

クレジットカード現金化を理由に裁量免責を受けるには

自己破産の免責許可を下ろす条件として裁判所は、手続きの際の申立人の態度を重要視しています。

自己破産手続きの過程できちんと反省の色が見られるのか、自分の債務と真摯に向き合っているのかといった申立人の気持ちの部分に左右されるというわけですね。

前述したように、自己破産の理由を聞かれた際にクレジットカード現金化のことを隠してして、決済履歴から後になってそのことが発覚した場合、裁判所の受ける印象もネガティブなものとなってしまいます。

事実説明を怠り、嘘をつく行為を取った申立人に対しては自己破産の免責許可を出そうという気になりませんよね。

つまり、クレジットカード現金化で自己破産を行う際には、嘘を突き通すよりも、しっかり真実を話した方が免責許可が下る確率が高くなるということですね。

免責許可が下りる確率は、全ての事情を含めても前述の通り97%となっているため、裁判所に対しては誠実さを貫くことが自己破産申請において何より重要となります。

自己破産以外にも債務整理の方法はある

自己破産以外にも債務整理の方法は存在するため、クレジットカード現金化による借金の場合には以下の手段を検討することも有効です。

自己破産を行えば財産のほとんどを没収されてしまうため、なるべくならば、行うべきではありません。

自己破産以外の選択肢

任意整理

自己破産以外の債務整理手段としてまず挙げられるのが、任意整理というものです。

任意整理では、債務者と債権者が個人的に話し合い、債務の負担軽減等の手続きを進めながら、3年という制約の中で計画を立てて返済していくという流れとなります。

債務者と債権者の間には、司法書士や弁護士といった仲立ちを介してやりとりを進めていく必要があります。

3年という期間の中で確実に借金を返済していかなければいけませんが、自己破産のように財産を処分する必要がないため、どうしても手放したくない物がある場合には有効です。

民事再生

自己破産以外の債務整理手段としてもう1つ、民事再生というものがあります。

任意整理とは、マイホームや車などの財産を維持したまま借金を返済していけるよう、借金の減額で適切な計画を立てるために、平成12年の11月に施行された法律です。

自己破産ではマイホームや車などの高額財産も丸ごと没収されてしまうため、きちんと生活していくために必要な物を残しつつ債務整理を行いたいという方には、任意整理が有効です。

民事再生も任意整理と同じく原則として3年以内での返済計画を立てておかなくてはいけませんので、注意が必要です。

まとめ

今回は、クレジットカード現金化を理由に自己破産ができるのか、法解釈の視点から解説してまいりました。

クレジットカード現金化は破産法に記載された免責不許可自由に該当するため、本来ならクレジットカード現金化を理由とした自己破産には免責の正当性が認められません。

ただ、申立人の態度や誠実さを鑑みて、よほどひどい対応を行わなければ、クレジットカード現金化が理由であっても自己破産申請は通ります。

重要なのは、嘘をつかずに、きちんとクレジットカード現金化が自己破産の理由であることを裁判所に伝えるべきだということ。

基本的には、弁護士などの専門家を通じて手続きを行うことになるでしょうから、プロである専門家には正直に事情を話して指示を仰ぎましょう。

クレジットカード現金化のことを隠し通してしまえば、あとで決済履歴等からそれが発覚した場合に、自己破産ができなくなる可能性が高いので注意が必要です。

最後に今回の記事の要点を振り返っていきましょう。

  • 自己破産申請が通れば債務の返済をしなくてもよい
  • クレジットカード現金化は免責不許可事由に該当する
  • 裁量免責を受ければクレジットカード現金化でも自己破産が可能
  • きちんと真実を伝えて誠実さを通すことが自己破産では重要

いかがだったでしょうか。

クレジットカード現金化の際には、連続利用による債務の滞りを無くすためにも、きちんと計画性を持って利用することが望ましいと言えます。

また、時間や条件などの面で問題なければ、キャッシングやカードローンなど、他の方法でお金を作ることも考慮に入れた方が良いですね。

自己破産におちいらないためにも、正しい知識を持って、計画的にクレジットカード現金化を行いましょう!