ファクタリングのトラブルは弁護士に相談すべき?有利なケースと不利なケースを紹介

更新日:2020.11.18
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佐藤 隆道

弁護士が解決できるファクタリングのトラブルは?

弁護士が解決できるファクタリングのトラブルは?

弁護士は、以下のトラブルを法的に解決したり、ファクタリング業者と交渉することができます。

  • 返済の減額・免除
  • 過払い金の請求
  • 債権譲渡通知の阻止
  • 売掛先との取引継続交渉

それぞれの項目について1つずつ解説していきます。

返済の減額・免除

ファクタリング取引で法外な手数料支払いを命じられ、返済不能に陥った場合、焦って債務整理を行う必要はありません。

弁護士に依頼し、業者と交渉してもらえば、返済の減額・免除が見込めます。

具体的な和解方法としては、元金だけを支払えば完済と見なしてもらう元金和解や、今まで払った分で完済とし、これ以降の支払いを免除してもらうゼロ和解などがあります。

そこまでいかなくとも、分割払いを認めてもらえたり、支払いを一定期間待ってもらえたりと、条件を譲歩してくれる可能性があるので、1度相談してみる価値はあるでしょう。

過払金の請求

ファクタリング会社の中には、闇金融まがいの経営をしている悪徳業者も一定数存在します。

そのような不当経営を行う違法業者に、法外な手数料を支払っていたことが発覚した場合、後からでも払いすぎたお金を取り戻すことが可能です。

過払金請求といえば司法書士のイメージですが、司法書士は元金140万円を超える過払金請求はできません

法人取引に使われるファクタリングは債券額も大きいですし、何より過払金請求は訴訟に発展するケースも多いですから、弁護士に依頼するのが無難でしょう。

債権譲渡通知の阻止

ファクタリング会社は、利用企業からお金を回収できなかった場合、その売掛先に債権譲渡通知書を送ります。

債権譲渡通知書とは、「売掛債権は、私たちが譲り受けました。」と売掛債権の所有権を主張する書類。

利用企業が支払わない代わりに、売掛先に直接支払いを要求します

バレないように2社間取引を利用していた場合、売掛先にファクタリングの事実を知られるのは痛手ですよね。

もし返済が遅延しても弁護士に依頼すれば、債権譲渡通知を待ってくれないか業者と交渉してもらうことができます。

売掛先との取引継続交渉

欧米では一般的な資金調達方法として知られているファクタリングですが、日本ではあまり浸透していない文化

このため、売掛先にファクタリングがバレてしまった場合、
「売掛金に手を出さないといけないくらい厳しい資金繰りなのか」
と勘ぐられ、今後の取引を敬遠されてしまう恐れがあります。

特に債権譲渡通知を通じて、売掛金の支払い先が変わったことを知った場合、困惑してしまう取引先は多いでしょう。

このように、ファクタリングをきっかけに経営を危ぶまれ、取引を中止されないよう、弁護士なら上手に説明・交渉が可能です。

利用者側が有利!違法ファクタリング会社の特徴

利用者側が有利!違法ファクタリング会社の特徴

弁護士に依頼するかどうか、その判断基準で迷っているという方も少なくないでしょう。

そこで、この条件なら訴訟や交渉でも利用企業側が有利となるという、違法ファクタリング業者の特徴を紹介します。

今利用しているファクタリング会社の特徴や、締結している契約内容を思い返してみて、当てはまる部分がないかどうかチェックしてみてください。

償還請求権がある

ファクタリングとは、売掛債権を売買する債券取引
貸金業に当てはまらないので、利息制限法の適用を受けません

買い取った債権の中には回収リスクが含まれているので、そのぶん高い手数料をとる権利があるということです。

このため、もし売掛先から売掛金が支払われなかった場合でも、利用企業に損失の補填義務はありません
このように回収不能時の補償義務が発生することを、償還請求権といい、ファクタリングは償還請求権なしの契約が基本となっています。

一方、償還請求権ありファクタリングは、万が一売掛金が支払われなかったとしても、ファクタリング会社に回収リスクはありません。
このため償還請求権ありのファクタリングは、実質的には売掛債権を担保とした融資と見なされ、貸金業に分類されます。

貸金業法の定めに従って、貸金業登録年利換算20%以下の手数料設定が必要ということですね。

しかし中には、償還請求権ありの契約にも関わらず、貸金業法を無視した手数料を要求してくる悪徳業者もいます。

このように、自身は一切回収リスクを負わないのに法外な手数料を搾取するファクタリング会社は、事実上の闇金融と判断される可能性が高いです。

実際、2017年3月3日に行われた大阪地方裁判所 (ワ)11716でも、償還請求ありのファクタリング会社が、実質的な売掛債権担保融資と見なされて逮捕。

貸金業法・出資法違反という判決を下されていますので、償還請求権ありのファクタリング会社で、年利換算20%を超える手数料を徴求されている場合は、訴訟になっても勝てる可能性が高いです。

担保や保証人が設定されている

回収リスクを負うか負わないかが、債券取引と貸金業を線引きする判断材料。

このため、担保保証人が設定されている場合も、実質的な融資とみなされ、貸金業法が適用されます。

そもそも債券取引であるファクタリングには担保や保証人という概念は存在しません。

償還請求権の有無は、手数料設定で変更することができますが、担保や保証人は明らかに融資取引に必要となるものなので、これらを初めから要求する会社はまず間違いなく悪徳業者といえます。

ビジネスローンとファクタリングの違い手形割引とファクタリングの違い

実質的な闇金行為がある

1日に何百回も電話をかけてきたり、恐喝・強迫行為があった場合、その行為自体が闇金融の証拠と見なされる場合もあります。

残念ながらそれだけでは闇金融と決定づける証拠にはなりませんが、上記のような貸金業法違反に加えて何かしらの被害を受けていれば、それが逮捕を後押しする要因になりえます。

例えば、大阪府警に逮捕された東洋商事というファクタリング会社も、ジャンプという返済方法を用いていたことが、彼らを闇金融と位置付けるの一つの要因となりました。

ジャンプとは、返済が不可能な場合に利息だけを先に支払わせ、元金の返済を後伸ばしにする闇金によくある取り立て手口です。

給料ファクタリングである

個人で給料ファクタリングを利用している場合、法人取引よりも訴訟や交渉に勝ち目があります。

給料は労働基準法第24条で「賃金は労働者に対して直接支払わなければならない」と決められています。

自由に売買可能な売掛債権と違って給料債権は、ファクタリング自体が法的にグレーゾーンということです。

実際、2020年3月に裁判所金融庁はそれぞれの立場で「給料ファクアタリングは事実上の貸金業である」という見解を発表。

世間的にも、給料ファクタリングは違法という追い風が吹いているため、今なら利用者側が訴訟・交渉に有利な展開が期待できます。

給料ファクタリングの違法性について解説給料ファクタリングのトラブルで弁護士に相談すべき4つのケース

利用者側が不利となるファクタリング契約内容とは?

利用者側が不利となるファクタリング契約内容

弁護士への依頼は、ファクタリング会社一件につき10万円〜と決して安くはありません。
もし弁護士に頼んでも、勝訴や和解の見込みがなければ、結局費用が無駄になってしまいます。

そこで今度は逆に、利用企業側が不利となる契約内容や、前提条件についてお話しします。

初めから返済する気がなかった

中には返済不能に陥って、ファクタリング会社に刑事訴訟を起こされそうになっている方もいらっしゃるかもしれません。

やむを得ない事情なら致し方ありませんが、もし初めから返済する気がなかったことがバレると、弁護士に相談しても裁判に勝つことは難しいです。

特に、架空債権を担保としているなどは、欺罔(=人をだますこと)の意思があった証拠として、詐欺罪が成立します。

供託金還付同意書をとられている

悪徳ファクタリング会社の中には、返済日よりも前に、債権譲渡通知を売掛先に送ってしまうところがあります。

債権譲渡通知書がファクタリング会社から送られてきた場合、取引先は大抵、債権者不確知を龍に、法務局に弁済供託を行います。

売掛債券を誰に支払えばいいかわからないので、公的な機関にその支払い判断を委ねるのです。

実はそれこそが、悪徳ファクタリング会社の狙い。

法務局に預けられた供託金は、利用企業の実印が押された供託金還付同意書と直近3ヶ月以内の印鑑証明書さえあれば、受取可能。

こういった事態を見越して、あらかじめ契約時に、利用企業から供託金還付同意書を徴収し、売掛金を騙しとろういうのが悪徳ファクタリング会社の算段です。

知らなかったのだから仕方がないとはいえ、このように供託金還付同意書や印鑑証明書をファクタリング会社に提出してしまった場合利用企業側が売掛金を回収するのは難しいといえます。

売掛金を使い込んでしまった

資金繰りが厳しいからといって、ファクタリング会社に譲渡するはずだった売掛金を使い込んでしまった場合、利用企業は横領罪に問われる可能性があります。

こういった売掛金の使い込み防止策として、ファクタリング会社は契約時に債権譲渡登記を行なっている場合がほとんど。

債権譲渡登記とは、債権を譲り受けた側が「この債権の権利は私がもらいました」と公的に証明する手続き。

第三者に対抗要件を主張することができ、債務不履行の際の法的資料ともなりえます。

司法書士ではなく弁護士への相談がおすすめ

司法書士ではなく弁護士への相談がおすすめ

弁護士への依頼費用は、ファクタリング会社一件につき、10万円〜。

3万円〜依頼できる司法書士の方がお得かと思うかもしれませんが、おすすめは費用が少し高くても弁護士に依頼することです。

司法書士は扱える金額や法手続きに制限がありますし、何よりファクタリングのトラブルは訴訟に発展するケースも多いです。,/p>

司法書士に頼んでいた場合、また新たに弁護士を雇わなければならず、結局コストも手間も倍

その点、弁護士であれば一貫して対応が可能です。

ファクタリング業者の口コミを確認しよう

弁護士や司法書士が介入した後の対応は、ファクタリング会社によって異なります。

介入が分かった時点で、債券譲渡通知を売掛先に送るなど徹底的な戦闘体制をとる業者もいれば、面倒臭がって回収を放棄するようなところもあります。

比較的、大手企業の場合は面倒ごとをいやがって穏便に解決してくれるケースが多いようです。

あらかじめ過去の利用者の口コミを参考に、利用したファクタリング会社がどんな対応を取るのか確認してみると良いでしょう。

ファクタリングに精通した弁護士に依頼しよう

六法全書の分厚さを見れば分かると思いますが、すべての法律に精通している弁護士は存在しません

餅は餅屋、とは昔からよく言ったもので、物事を依頼するときに、そのジャンルに特化した専門家を探すことは非常に大切。

ファクタリングのトラブルについて相談したいときは、必ずファクタリング問題について実績を持った弁護士に依頼しましょう。

残念ながら闇金融や過払金請求に詳しくても、ファクタリングについてはほぼ無知という弁護士も少なくありません。

最低限、以下の内容は知っているかどうか依頼する前に弁護士の知識を確認しておくとよいでしょう。

  • 2社間取引と3社間取引の違い
  • 過去に逮捕されたファクタリング会社の裁判事例
  • 2020年3月の給料ファクタリング裁判の判決と金融庁の見解

まとめ

一人で悩まずまずは弁護士に相談を

それでは最後に、弁護士が解決できるファクタリングのトラブル事例についてまとめます。

  • 弁護士は返済の減額、免除、過払い金請求が交渉できる
  • 債権譲渡通知の阻止や、取引先継続交渉も代わりに行ってくれる
  • 償還請求権があるファクタリング会社は、貸金業として事業登録や利息制限法に従った経営が必要
  • 担保や保証人が必要なファクタリング会社は、実質的な闇金融
  • 給料ファクタリングは違法という見方が強まってきている
  • 初めから返済する気がないのにファクタリングを利用すると詐欺罪に問われる可能性がある
  • 債権譲渡登記された売掛金を使い込むと横領罪に問われる可能性がある
  • 扱える金額や法的手続きに制限がある司法書士よりも弁護士への依頼がオススメ
  • ファクタリングの分野に精通した弁護士に依頼しよう

司法書士や弁護士を雇うことは、違法業者の動きを牽制することにも繋がります。
深刻なトラブルに巻き込まれた場合は、迷わず弁護士に相談し、法的な解決をはかりましょう。