ファクタリングのメリット・デメリット|利用の判断基準とは?
更新日:2020.11.18
投稿
佐藤 隆道
ファクタリングのメリット

- スピーディな現金化が可能
- 担保・保証人不要
- 審査に通りやすい
- 売掛金回収のリスクヘッジになる
- 信用情報に影響がない
スピーディな現金化が可能
ファクタリング利用時の着金スピードは、申し込みから最短30分〜2時間! 数ある資金調達方法でもトップクラスの調達スピードを誇っています。 銀行に融資申し込みをした場合、実行までは早くても数週間〜1ヶ月。 その点ファクタリングなら、契約の種類や内容によっても異なりますが、基本的には即日〜遅くとも2、3日で資金調達が可能です。 買掛金や納めるべき税金が一部足りない、といったお金の緊急事態にピッタリだといえるでしょう。担保・保証人不要
ファクタリングの2つ目のメリットは、担保、保証人一切不要で現金が調達できる点です。 金融機関で融資を受けるには、万が一返済できなかった時のために、不動産などの担保や保証人が必要です。 ビジネスローンも無担保・保証人不要で借りることができますが、代わりに社長が連帯保証人にならなければなりません。 ⇒ビジネスローンとファクタリングの違い それに比べてファクタリングは借り入れではなく、売掛債権の売却によって資金を得る方法なので、担保や保証人は一切必要ありません。 抵当権や返済リスクなどに縛られず、後腐れなく利用可能です。審査に通りやすい
ファクタリングの3つ目のメリットは、審査に通りやすいことです。 ファクタリングの審査対象となるのは、売掛先の信用力。 なぜならファクタリング会社は、売掛先から売掛金を回収するからです。 このためファクタリングでは、会社が赤字決算や債務超過でも、関係なく利用できます。 売掛金が入金されるまでに売掛先が倒産しなければいいので、その審査基準もかなり柔軟で通りやすいといえるでしょう。 必要書類も、売掛金の額面や支払い日時を証明する書類などがあればいいので、手軽に利用できます。 ⇒ファクタリングの審査について詳しく売掛金回収のリスクヘッジになる
ファクタリングには資金調達だけでなく、売掛金の回収リスクを解消できるというメリットもあります。 ファクタリングは、会社の売掛債権を譲渡する取引。 実はこの時、「売掛金を受け取る権利」だけでなく、「売掛金を回収する義務」も相手に引き渡しているんです。 つまり、万が一倒産などの理由で売掛先から売掛金が支払われなくても、利用企業はファクタリング会社にお金を弁済する必要はありません。 つまりファクタリングは、利益を先取りすることができるだけでなく、リスクヘッジも同時に兼ねている優れた資金調達方法なんですね。信用情報に影響がない
金融機関から融資を受けると、負債として信用情報に記録が残ってしまいます。 過度な借り入れや支払い遅延の記録が残っていれば、今後金融機関の審査に通ることは難しくなってしまうでしょう。 それに比べてファクタリングは、信用情報に影響を与えることなく資金調達できるというメリットがあります。 ファクタリングは、「売掛債権という資産を売却して資金を得る」という売買取引に該当するため、負債として計上されることはありません。 むしろ貸借対照表から売掛金の項目が消えるので、バランスシートをスリム化できるという会計処理上のメリットもあります。 ⇒ファクタリングの仕訳は?会計処理を解説ファクタリングのデメリット

- 手数料が割高
- 悪徳業者との遭遇リスク
- 取引先に知られると今後敬遠される危険性がある
手数料が割高
ファクタリングは貸借取引ではないので、金利という概念はありません。 そのかわり、売掛金を早期現金化してくれた対価として、ファクタリング会社に手数料を支払います。 気になるその手数料設定は、売掛債権の額面の15〜40%と、残念ながら銀行金利や手形割引の割引率よりはるかに割高です。 貸金業法が適用される消費者金融なら、どんなに高くても利息制限法で金利は年利20%までと法律で決まっています。 しかし、回収リスクごと売掛債権を買取るファクタリングは債券取引。 貸金業ではないため、手数料の上限はありません。 このように、他の資金調達方法と比べて手数料が割高となるのが、ファクタリングのデメリットです。 ⇒ファクタリングの手数料は?内訳を解説3社間ファクタリングなら手数料を抑えられる
ファクタリングには、2社間取引と3社間取引とがあります。 2社間取引は、ファクタリング会社と利用企業で契約。 3社間ファクタリングは、それに売掛先が加わって取引をします。 日本では、取引先にファクタリングしていることがバレないように契約を交わす2社間取引が一般的です。 しかし、売掛先に通知・承認を得てから行う3社間取引なら、回収リスクが抑えられるぶん、手数料は5%〜15%と割安。 銀行系やノンバンクが提供するファクタリングサービスなら、さらに良心的な手数料で利用できますよ。 ⇨銀行系のファクタリング悪徳業者に売掛金を騙し取られる可能性がある
ファクタリングは、あまりまだ日本には馴染みのない企業文化。 それをいいことに、ファクタリング会社の中には売掛金をだまし取ろうとする悪徳業者もいます。 詳細な契約書類がなかったり、日付や記名のない書類にサインさせられそうになったら、まず詐欺を疑いましょう。 ⇨違法なファクタリング会社の契約とは?悪徳業者の特徴を解説取引先にバレると敬遠される危険性がある
先述した通り、ファクタリングはまだあまり資金調達方法として日本に浸透していません。 このため取引先にファクタリングを利用している事実が知られてしまうと、 「売掛金に手を出さなければならないほど経営が苦しいのか?」 と勘ぐられて、今後取引を中止されてしまう危険性があります。2社間取引でもバレない可能性は0じゃない?!
取引先にバレずにファクタリングをするためには、利用企業とファクタリング会社のみで契約を締結する2社間取引が推奨されています。 しかし、ファクタリングの2社間取引でも、100%取引先にバレないという確証はありません。 債券譲渡登記という手続きを踏む場合は、取引先にファクタリングの事実を知られてしまう危険性があります。 債券譲渡登記とは、「売掛債権を受け取る権利を譲り受けました」と法的に示すための手続き。 これでファクタリング会社は、利用企業や他のファクタリング会社に対して、売掛金を受け取る権利を正当に主張できるようになります。 しかし債券譲渡登記は、東京にある法務局で然るべき手続きをとれば、誰でも閲覧することができます。 つまり取引先がその気になって調べれば、バレてしまう危険性もあるということです。手形割引や売掛債権担保融資との違い

ファクタリングを利用すべき?判断基準

ファクタリングがよく利用される業界
ファクタリングは、一度に大金が動く取引や、常に先払いが求められるなど、キャッシュフローが不安定な業界に向いています。 土木建設業やアパレル業界、人材派遣業などがその具体例です。 このように、比較的他の業種に比べてファクタリングの認知度が高い業界なら、利用を検討する価値あり! 特に、介護業や病院を対象とする医療ファクタリングなど、特定の業種に対してファクタリングサービスが確立されている場合は、5%〜と手数料も安く抑えられる場合が多いです。 ⇒建設業界のファクタリングについて詳しくはこちら ⇒アパレル業界のファクタリングについて詳しくはこちら ⇒介護業界のファクタリングについて詳しくはこちら前向きな資金調達なら迷わずGO!
ファクタリング利用の最大のデメリットは、手数料がかかることです。 通常、売掛金は本来の期日まで待っていればその満額が手に入ります。 しかし、ファクタリングを利用すれば、手元に入る売掛金は間違いなく減少してしまいます。 ただ逆に考えれば、そのコストに見合う結果がのぞめるのであれば、ファクタリングの利用を躊躇う必要はありません。- 事業拡大したら儲かる見込みがあるのに、融資を受けられない
- 業績はいいのに、起業したばかりでキャッシュフローが追いつかない
ファクタリングは根本的な経営改善にはならない
ファクタリングは一時的な資金難を乗り越えるために最適なツール。 逆に言えば、利用しても根本的な経営改善とはなりえません。 たまに、- ファクタリングを利用することで財務諸表が改善され、銀行融資も通りやすくなる
- ファクタリングしたお金で借入金を返済すればお得
おすすめのファクタリング会社を紹介

ビートレーディング

アクセルファクター

ウィット

まとめ

- ファクタリングの着金スピードは最短即日〜2日、3日
- ファクタリングは担保・保証人なしで利用OK
- ファクタリングの審査対象は売掛先
- ファクタリングは売掛金という自己資産の現金化なので審査に通りやすい
- ファクタリング会社は回収リスクごと売掛債権を買い取るので、万が一売掛金が支払われなかった場合、利用企業が弁済する必要はない
- 手形割引や売掛債権担保融資は、あくまでも貸借取引なので、取引先からお金が支払われなかった場合、利用企業が債務者として弁済する必要がある
- 回収リスクを負うか負わないかが、債権取引と貸借取引の違い
- ファクタリングは負債ではないので、利用しても信用情報に影響はない
- ファクタリングのデメリットは手数料が割高であること
- 土木建設業やアパレル業、医療業界ではよくファクタリングが利用されている
- ファクタリングのコストを上回る結果が得られるかどうかが、利用するか否かの判断基準となる